大宮 １－０ 横浜Ｃ Ｊ１第１２節

シフトチェンジで活路を見出す。

Ｊ１リーグ第１２節
５月１９日（土）　１６：００～　駒場　９，４６６人
大宮　１－０　横浜Ｃ
得点者
８３分　富田（大宮）

大宮アルディージャ
			ｻｰﾚｽ
藤本						吉原
		片岡		小林慶
			斉藤
田中		富田		レアン		西村
			荒谷

横浜ＦＣ
		三浦		難波
滝澤		鄭		吉野		内田
中島		室井		早川		和田
			菅野

どうにも調子の上がらない、
１８位の大宮と、１７位の横浜ＦＣとの、最下位を賭けた対戦。

大宮はエニウトンと波戸が出場停止。
エニウトンの代わりにサーレスを、
波戸の左ＳＢには本来右ＳＢの田中を起用。

横浜ＦＣは、勝利した前節広島戦と同じスターティングメンバー。
ベンチには先日移籍した平本が。


試合開始直後から降り出した豪雨。
前半２０分に一時中断するほどの凄まじいものでした。
ちなみに各選手とも試合を通して雨の影響はそんなになかったように見えました。


ボールを持って崩しにかかるったは、大宮でした。
しかし、横浜ＦＣの４－４－２ゾーンは集中していて非常に堅く、
回せるんだけど攻め込めない。
この日ワントップのサーレスにどうやってもボールが収まらず、
斉藤や小林慶の展開から藤本を中心に突破を試みるものの、
前半はサーレスに決定機が一度訪れたくらいで、
シュートチャンスまでは持っていけませんでした。


対する横浜ＦＣはカウンターを狙う。
序盤はカズが幾度か効果的に仕掛けていけましたが、
時間とともに難波へのロングボールが多くなり、
しかし大宮ＣＢにそのほとんどを弾き返され、
またそこへのフォローも無く、セカンドボールを相手に渡してしまう。
難波はサイドに流れず、ガマンして中央で体を張ろうとするのですが、
それはむしろ大宮にとっては守りやすく、
攻めさせて引き寄せて、そうして薄くなったスペースを突くのでなく、
攻撃に参加せず引いて待ち構えるＣＢに挑んでしまいました。
この試合、横浜ＦＣはサイドを効果的に使えていませんでした。


守れてはいるのだけど、どうにもチャンスが生まれない中。
大宮は後半１１分にサーレスに代えて橋本を投入。
本来左サイドの橋本を右に
（といってもここは前半からよく藤本とポジションチェンジするのですが）、
吉原をトップに持ってくる。
横浜ＦＣは一歩遅れた後半１７分、カズに代えて平本を投入。

このシフトチェンジが効果的だったのは、大宮でした。

この日、引きすぎずにバックラインをある程度高く置けていた横浜ＦＣでしたが、
吉原が持ち前の機動力をもって最前線でその裏を狙い、
投入された橋本をはじめとした中盤の選手が、そこにパスを送る。
藤本の単発突破が目立った大宮でしたが、
もともとボールを持たせてもらえてはいました。
裏への意識が全体で共有され、
そのための必要な要素が出揃ったことで、
ポゼッションから決定機を生み出せるようになり、
ゲームを優位に進めていきました。

この日唯一の得点は、
去年も大事なところでゲームを決める得点を奪っている富田が
コーナーキックからの橋本のボールに
ニアであわせたものでしたが、
それもまた仕掛けて得たコーナーキックでした。
ポゼッションしながらも困った大宮と、
カウンターが繋がらない横浜ＦＣでしたが、
活路を見つけたのは、大宮のほうでした。

横浜ＦＣはシュート２本と寂しい内容。
仕掛けるプレーが足りませんでした。
それができる選手が加入した平本だと思うのです。
彼のような選手が今の横浜ＦＣには必要で、
しかし、今日はまだ、彼の良さを示すには至りませんでした。