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2024'12.04.Wed
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2006'12.16.Sat

先週、天皇杯ベスト8のうち7チームがきまり、
今日、残りの一枠を、浦和と福岡が争います。
福岡は、入れ替え戦があったので。

前半の多くの時間は、完全に福岡のペースでした。
浦和の、攻から守への切り替えの速さを、
福岡の、守から攻への切り替えの速さが、上回る。


06年12月16日(土)13:04/埼玉/17,675人
第86回天皇杯5回戦
浦和 3―0 福岡
得点:93'ポンテ(浦和)108'ワシントン(浦和)119'永井雄一郎(浦和)

 浦和レッズ
 
      ワシントン      
             
    山田   ポンテ    
相馬           平川
    小野   鈴木    
             
  ネネ   坪井   内舘  
             
      都築      
 


 アビスパ福岡
 
    薮田   田中    
             
古賀           宮崎 
             
    城後   佐伯    
             
山形辰   川島   千代反   宮本
             
      神山      
 

浦和は、山岸と長谷部が控え、三都主、闘莉王、堀之内はメンバー外。
福岡は入れ替え戦から先発メンバーを7人も入れ替え。
沖野コーチが監督代行として指揮を執る。

相手陣内までボールを運び、攻めきる。
相手にカウンターを許さないように。すばやく、切り替える。
相手が戻ってくるよりも早く、ボールを動かし、自分たちも動く。
中盤を、中央を、迂回して、スペースへ。
浦和の不安定な3バックの裏、高い位置を取るウイングバックの裏に。
福岡は、カウンターで襲い掛かる。
ネネは田中のスピードに対応し切れなかったし、
内舘は古賀に一対一の仕掛けを一試合通して許してしまいました。
特に田中は、この試合最も危険な選手であり、
長所であるスピードを最大に発揮できていました。
浦和がボールを保持している際に、
浦和3バックの前に福岡2トップ+古賀がいることが多かったのですが、
彼らは浦和3バックをゲームから排除すると共に、
自分たちの長所をも際立たせました。
小野がボランチに入ったからか、闘莉王がいないからか。
多分、どちらもなんでしょうが、
浦和DF陣は、バイタルエリアも、ラインの裏もケアすることが出来ませんでした。


あまりに出来すぎた、立ち上がりからの完全なる福岡ペースは、
特に、その時間帯に点が取れなかった場合、
その後必ず訪れるであろう浦和の流れの時間帯への恐怖を覚えさせました。
ただ、逆に、例えば立ち上がりに福岡が先制した場合、
浦和がその後積極的に攻めてくるのは目に見えており、
つまりは、75分間ギアを上げて逆転狙いで攻められる展開よりは、
残り15分0-0の状況で、焦ってギアをあげた浦和から、
カウンターで一点をとり、自陣に引いて15分間逃げ切る展開を、
福岡は望んでいるんだろうかな、なんて、
そんなことをいろいろと思ってしまったりして、
だから、むしろ、前半は凌ぎきって、みたいな展開のが、
本当はよかった。可能性が一番あった。なんてことを考えてました。

ただ、それは、私が無意識のうちに、
福岡と浦和の力の差を大きく捉えすぎていたんだな、と。
後半の福岡のサッカーから、気づけました。

基本は、前述のようなサッカー。
ただ、さらに、もう一段階。相手カウンターに細心の注意を計るように、
相手選手との接触を避け、ボールを失わないように、
ワンタッチ、ツータッチで、スペースに、フリーな選手に展開していく。
そうした、よりポゼッション志向の展開で、各選手間で適正な距離を保ちつつも、
各選手が積極的にオーバーラップとパス&ランを繰り返す。
福岡は、中盤をフラットにした4-4-2ゾーンで、
J2からJ1に昇格、しかし今年半ばから並びこそ変わらないものの
そのシステムが様変わりしてしまいましたが、
今日のそれは、まさしく福岡サッカーの進化系であったと思うのです。

局面局面でしかボールに絡めなかった小野と山田を、長谷部と永井に交代させ、
そのあたりからは、両チーム共に運動量が低下し、間延びしてしまってさらにカウンター合戦に。
それでも得点は生まれずに、90分を終え、延長戦に。
運動が止まると、組織力の差でなく、個々の力の差が出る。
延長前半3分、ボールを持った永井への寄せが弱く、ゴール前のワシントンへと渡り、
最後はポンテのシュートで浦和が得点。
福岡はカウンターから追いつくチャンスを狙い、
得点機も数度迎えるものの、決めきれない。
後半に立て続けに2点目、3点目が入り、試合終了。

福岡は、本当によく頑張ったと思う。
すごくいいサッカーだなぁ、と思った。
しかし、ただ勝つためでなく、もっと先を見ていたように思えて。
後半の半ばあたりからは運動量が低下し、
延長ではもう足が止まってしまって失点を招きましたが、
それは、どこまで出来るか、挑戦しているような。
それでも、絶対に負けられない入れ替え戦2戦と、
今回の「一種の挑戦」であったと思われる天皇杯浦和戦と、
重要な3試合で、福岡は、入れ替え戦2戦目でのわずか1点しかあげることが出来なくて。
得点力不足。シーズン中の最大の課題は、そのままJ2への宿題となります。

浦和は、福岡の術中にはまりながらも、
決定力の無さに助けられたような感覚でしょうか。
前半はフィニッシュまで持ち込めませんでしたし、
山田や小野はゲームから取り残されているような印象でした。
引いて守ってくる福岡相手に、得点のにおいを感じたのは
相馬の独力突破と、ポンテの右からバイタルを使う攻めくらいでした。
もう少し、動きながら、お互いがフォローしながら攻めたかったですね。
相馬はやっぱりあれ位できるんですね。キレキレでした。特に前半。
90分通してあれ位できるならば、もっと素晴らしいのですが。
クロスもあまりよろしくなかったし、プレー一つ一つの精度も低い。
悪くは無くて、むしろよかったんだけど、ただ、だから三都主なのかなぁ。なんて。
あと、やっぱり闘莉王不在の影響は大きい。
攻撃の起点として、守備の中心として、必要な選手だなぁ、と感じました。

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